TOPへTOPへ

ブログ

乳癌検診、どのように受けたらよいの?

院長のおはなし

こんにちは!院長の崔(さい)です。診療をしながら日々思うこと、伝えたいことなどを今後ブログで発信していけたらと思っています。よろしくお願いいたします!

今回のテーマは「乳癌検診、どのように受けたらよいの?」です。

乳癌検診は症状のない乳癌を早期発見し、乳癌で亡くなることを防ぐために行われます。自治体(区市町村)や会社で提供される健診機関ではマンモグラフィーと超音波検査を一般的に行います。マンモグラフィーと超音波検査、どちらを受けたらよいか?両方受けた方がよいか?どの間隔で受けた方がよいか?とてもよく聞かれる質問です。

答えは「人によって受け方の正解は違う」です。乳房内に癌が発生した初期の段階で石灰化を含んでいればマンモグラフィーでみつかるし、腫瘤(しこり)となれば超音波検査で見つけることができます。その他に画像で描出されるかは、体系、乳房内の乳腺構造、癌の発生した部位などにより影響されます。

自治体で一般的に普及しているのは2年に1回のマンモグラフィーです。40歳以上の人がマンモグラフィーを2年に1回受けることにより乳癌の早期発見につながり、さらに死亡率を下げることが証明されたためで、2000年ころから視触診にかわって普及されてきました。一方で、マンモグラフィーで見つからない乳癌が問題とされています。40-50歳代の「高濃度乳腺」の方は腫瘤が乳腺にかくれてしまいがんがうつらないことがあるためです。

そこで40歳台の人に超音波検査を追加することの有効性を比較した臨床試験がJapan Strategic Anti-cancer Randomized Trial(J-START)です。J-STARTは「マンモグラフィー単独群」と「マンモグラフィーと超音波検査の併用群」でどちらのがん発見率が高かったかを直接比較した臨床試験です。厚労省が立ち上げた大プロジェクトで、約76000人の40台の日本人女性が登録参加した唯一超音波検査に対する日本発のランダム化比較試験です。J-START試験では、「マンモグラフィー単独群」の感度(乳癌の人を乳癌と正しく検出できた割合)が66.7%だったのに対し、「マンモグラフィー検査と超音波検査の併用群」の感度は93.2%であり、マンモグラフィー検査に超音波検査を追加するとこの有効性が示唆されました。またこの傾向は「高濃度乳腺」の人も「非高濃度乳腺」の人も同じように認めており、高濃度乳腺ではなくても超音波検査併用することで感度が上がることがわかりました。この研究ではあくまでもマンモグラフィーに超音波検査を追加したときのデータなので、超音波検査単独の検診がマンモグラフィーより優れているということではありません。しかしながらマンモグラフィー検査に超音波を追加することによって乳癌発見率が上がるということが証明された試験になります。

いままでマンモグラフィーしか受けたことがない方、超音波検査しか受けたことがない方はぜひ他の検査も受けてみることをお勧めいたします。

また、私は乳癌を心配され検査を受けられた方にはなるべくその方にあった検診方法を提案するようにしています。不安な症状がある方はもちろん、症状がなくていままで乳癌検診を受けたことがない方も、ぜひご相談ください。